2014年4月6日

「私はいま、とても胸を弾ませているので、その音を残しておくことにしました」


豊島という島で
自分の心臓の音を録ってくれる場所がある。

海が目の前に広がる、
小さな島の中の小さな浜辺の隅の小さな部屋の中で
なにとはなしに願掛けのような気持ちで、
自分の心臓の音を残すことにした。

一分間、息を殺して、静かに音を録ってもらう。
息は殺せても、心臓は簡単に死なないんだなということに
改めてバカみたいに感動した。
何万人の登録された心臓音の中で自分の音がどれなのか、
すでにわからなくなってしまった。

紛れてくれたほうが、なんだかほっとする。
それは私の夢の音です。

2014年4月1日

4月


3月から4月にかけて、
今年はページをめくるみたいにきれいに季節が移ろいだ。
後ろを振り返ることは許されないような
はっきりとした季節の移り変わり。

数日前の春の嵐の時、

「今日は散っちゃうから咲かないでほしい」

というような
その日咲くことを反対する人々の声と天気の中、
それでも桜はそんなことは気にもとめる様子もなく、

「咲きたいので咲きます」

と天気は嵐のくせに、強い雨風の中で、
春を宣言するように開花した。