2014年9月24日

2004年のとある店でコーヒーを飲んでいるだけで実際は何も起こっていない。


ハッピーエンド
ハッピーエンド
ハッピーエンド

より子さんは22歳の時、
このことばのせいで、
必要もなかった分まで裏切られた気持ちになって、
必要もなかった分まで苦しんでいた。

「このハッピーエンドは実は毒かもしれない」

いま思えば、それは通知表に似た存在で
想像する結末と現実を比べることで
怯えた感情しか生まれなかったハッピーエンドというものに対して、
はじめてそんなふうに思った時、

より子さんはたったひとりでコーヒーを飲んでいたあの店で
そのコーヒーが美味しかった訳でもなく、
将来が決まった訳でも
大金を手にした訳でも
何かひとつでも問題が解決した訳でもないのに、

まだ何も起こってないただコーヒーを飲んでいたその時間、
生まれて初めて
毒じゃないほうのハッピーエンドの1億分の1くらいのものを
得た気がした。




2014年9月18日

スイッチがカチッと音を鳴らした。






遠くからは大きく手の届かない異質なものに見えて、
足下からは想像してたより小さく感じて侮って、
登った先から見える景色に思わず息を飲み、その凄みにおののいた。

その時まで、
東京タワーが出来たときの当時の人々の感動になんか
絶対に追いつくわけがないと、
この時代に生まれたことを少し恨んだこともあった人が

結局、

眉間にしわを寄せながら、そこから見える眺めを前にして、
それまでどこか否定的でいたはずの影のように見えてたものを
あっさり肯定した。